■曲の情報
TUNE = BETHANY
初行 = Nearer, my God, to Thee
分類 = 信仰の歩み・成長と向上
主題 = 成熟
聖句 = 創世記28章10-22節, ルカの福音書9章23節
採用歌集番号 = 『讃美歌』320番
作詞:Sarah F. Adams,1805-1848 (CH) |
作曲:Lowell Mason,1792-1872 (CH) |
歌詞:サラ・F・アダムス。『Hymns and Anthems』 (William Johnson Fox著, 1841年)
曲:ローウェル・メイソン, 1856年
「ある夜、就寝後、ふと暗闇の中で目を覚まし、目を大きく開くと、家の中の静寂を通して、メロディーがやってきた。翌朝、私は音符に書き留めた。」
この讃美歌は、アカデミー賞の作品賞他にノミネートされた1983年の映画「再会の時 (The Big Chill)」の中でオルガンで演奏されている。
エピソード:
私 (サンキー) の「聖歌とその物語 (Sacred Song and Story)」の講義の最後のひとつは、ワシントンD.C.の聖公会の大聴衆の前で行われた。そこには、国務長官ジョン・ヘイ (John Hay)、国会議員たち、最高裁判事が出席していた。お気に入りの讃美歌「主よ、みもとに近づかん」を会衆が心から歌った。
私は、ハムリン牧師 (the Rev. Dr. Hamlin) に、ウィリアム・マッキンリー大統領 (President William dMcKinley) との面会の予約を入れてくれるよう頼んだ。2日後、私たちはホワイトハウスを訪れた。大統領は私を温かく迎え、私がオハイオ州で歌っているのをよく聞いていていたので会えて嬉しいと言ってくれた。私は「大統領ご自身も、大変素晴らしい歌手だと思います」と答えた。彼は微笑んで言った。「私はそうは思いませんが、思いを込め、理解して歌うようにしています」。彼はとても明るく幸せそうに見えた。そして私にサインをくれた。
翌日、大統領はニューヨークに行き、五番街の長老派教会での礼拝に出席した。そこで「主よ、みもとに近づかん」が歌われた。大統領が大好きな讃美歌を心から歌う声が聞こえた。ある記者が、歌っている大統領の写真を撮り、それが翌日のニューヨークの新聞のひとつに掲載された。
1902年、ニューヨークのバッファローで、暗殺者の手にかかって倒れた時、大統領はかすかに歌っていたという。「私の神よ、あなたにもっと近く、あなたにもっと近く、そこが私を架ける十字架であっても、それでも私が歌うすべては、私の神よ、あなたにもっと近く、あなたにもっと近く」。
こうして、私達の世代の最も高潔な人は世を去った。オハイオ州カントンでの葬儀の日、アメリカ中の列車、市街電車、そしてほぼすべての機関が5分間止められ、国内全ての教会で「主よ、みもとに近づかん」が歌われたのであった。
『My Life and the Story of the Gospel Hymns』(Sankey, Ira David著, New York: Harper & Brothers, 1906年) pp.200–201
代替曲:
American (作者不詳)
Communion (Samuel S. Wesley, 『European Psalmist』1872年)
Horbury (John B. Dykes, 1861年)
Liverpool (Roberts) (John Roberts, 1822–1877)
Nenthorn (Thomas L. Hately, 1815–1867) (くりかえしをしない)
Propior Deo (Arthur S. Sullivan, 1872年) (くりかえしに手を加えている)
St. Werburgh (Robert P. Stewart, 1868年)
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